セクシー女優が企業広告に起用された件について、セクシー女優が表舞台に出ると、子供がセクシー女優という存在に関心を抱いてポルノグラフィを視聴してしまう、そしてポルノグラフィの視聴は子供に有害な影響を与える為、表舞台に現れるべきではないとの主張が行われています。
この主張の下では、一度アダルトビデオに出演したセクシー女優は彼女の存在がポルノグラフィへの関心を引き起こし、ポルノコンテンツに辿り着いてしまう子供に有害な影響を与える為に大衆の目に触れる様な仕事をする権利を喪失するという事になります。
この主張はいくつかの段階に議論を分ける事が可能です。
悪影響は存在するのかどうか、存在したとして、その悪影響はその他のより制限的ではない手段により緩和される事が出来ないようなものであり、セクシー女優が大衆の目に触れる様な仕事に就く事を制限する事もやむを得ないほど深刻なものなのかという事です。
私はこれに関して十分に調査する時間を取る事が出来ていませんが、短時間の調査により、関連する幾つかの研究を発見した為、簡単にここに示しておきます。
Kohut T, Landripet I, Štulhofer A. Testing the Confluence Model of the Association Between Pornography Use and Male Sexual Aggression: A Longitudinal Assessment in Two Independent Adolescent Samples from Croatia(2021)は、思春期の少年を対象として、ポルノグラフィの使用が、その後の性的攻撃の報告の可能性の変化を予測するかどうかを調査していますが、参加者の素因的なリスクと無関係に、ポルノグラフィー使用がその後の性的攻撃の報告の可能性を高めるという証拠は存在しないと結論しています。
Kohut T, Štulhofer A. Is pornography use a risk for adolescent well-being? An examination of temporal relationships in two independent panel samples(2018)は思春期の少年少女を対象としてポルノグラフィの使用が、その後の心理的幸福や精神的健康の低下に関連しているかどうか調査していますが、性別に関わらず、ポルノグラフィの使用が主観的幸福感、うつ病や不安の症状、自尊心のマイナスの変化と関連しているという一貫した証拠は見つからなかったと結論しています。
Koletić G, Kohut T, Štulhofer A. Associations between adolescents’ use of sexually explicit material and risky sexual behavior: A longitudinal assessment(2019)は、思春期のポルノグラフィの使用と、性的リスク行動(コンドーム不使用、多人数との性行為)の関連を調査していますが、社会人口統計学的特性、思春期の発達時期、スリル追求傾向をコントロールした結果、ポルノグラフィの使用頻度は性的リスク行動の2つの指標と関連していていなかった事を報告しています。
これと反対に悪影響を報告する研究も多いですが、せいぜい相関関係を示すだけであり、因果関係は曖昧です。多くの研究はポルノを視聴する頻度の高い子供が性的リスク行動をとる可能性も高い事を報告している様ですが、これは単純に生まれつき性的好奇心が強い子供はポルノを視聴する頻度や性的リスク行動をとる可能性が高くなるだけである可能性があります。
またこれらの研究は子供がポルノを見る事に関するものであり、ポルノ出演者が子供の目に触れる場所で仕事をするだけで悪影響が存在する事を示すものでもありません。