社会のジェンダー平等と出生率の間にU字型のパターンがあるという説は、時間を超えて社会を比較した場合、支持が弱い。

背景: 近年の人口動態に関するいくつかの理論では、ジェンダー平等と出生率の間にU字型の関係があると示唆されている。すなわち、ジェンダー平等の水準が低い社会と高い社会では出生率が高く、移行期において出生率が低下すると理論づけられている。

目的: 本研究は、ジェンダー平等(女性の政治的エンパワーメントを指標とする)と出生率の関係を、35か国のジェンダー平等と出生率に関する年次データを用いて、社会内での時間的変化に着目して推定することを目的とする。

結果: 時間の経過に伴う社会の変化を分析したところ、ジェンダー平等と出生率の間にU字型の関係があるという証拠は見られなかった。一方で、最近の時点における国ごとの横断的な分析では、U字型の関係が観察された。社会内での分析では、ジェンダー平等が低い水準にある場合に出生率との間に明確な負の関係が見られたが、ジェンダー平等が高い社会では特定のパターンは確認されなかった。

貢献: ジェンダー平等の向上に伴い出生率が上昇するという理論は、各国の時間的変化に関する分析では支持されなかった。本研究の結果の示唆とその頑健性について議論する。

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