背景
母親の要因、例えば高齢出産やさまざまなライフスタイル要因は、子どもの短期および長期的な転帰の悪化と関連している。一方で、父親の要因に関する知識は限られている。近年、父親の年齢の上昇が、産科合併症、先天異常、自閉症スペクトラム障害、統合失調症などのリスク増加と関連していることが報告されている。
目的と根拠
本研究の目的は、父親の要因が子どもの短期および長期的な健康転帰に与える影響を明らかにすることである。
検索方法
PubMed、Embase、Cochraneの各データベースを2017年1月まで検索した。対象とした父親の要因には、父親の年齢やライフスタイル要因(BMI、脂肪蓄積、喫煙など)が含まれる。評価対象となるアウトカムは、短期的なものとして早産、低出生体重、在胎週数に対して小さい(SGA)、死産、先天異常、染色体異常を取り上げた。長期的なアウトカムとしては、死亡率、がん、精神疾患・障害、代謝疾患を評価した。本研究はPRISMAガイドラインに従って系統的レビューを実施し、関連するメタアナリシスを行った。
結果
検索により14,371件の論文が抽出され、そのうち238件が適格基準を満たし、さらに81件が定量的な統合解析(メタアナリシス)に含まれた。
父親の年齢やライフスタイル要因は、子どもの不良転帰と関連していた。特に、自閉症、自閉症スペクトラム障害、統合失調症との関連が顕著であり、死産、先天異常、口唇口蓋裂、21トリソミー(ダウン症)とも関連がみられた。また、父親の身長は子の出生体重と関連があるが、BMIには関連がなかった。一方で、父親のBMIは子どものBMI、体重、体脂肪量と関連があった。
父親の喫煙は、SGAの増加、先天性心疾患を含む先天異常、口唇口蓋裂、がん、脳腫瘍、急性リンパ性白血病のリスク増加と関連していた。これらの関連は統計的に有意であるが、影響の大きさは中程度であり、多くの統合推定値(オッズ比)は1.05〜1.5の範囲に収まり、2.0を超えるものはなかった。
より広い影響
本研究で示された父親要因と子どもの不良転帰との関連は、健康上の重要な影響を持つ。しかし、そのリスクの増加の程度は比較的控えめであると考えられる。