思春期女子の性的成熟に関する基礎知識:月経、ホルモン関係

思春期女子の月経異常に関する調査成績,平野 睦男,山辺 紘猷,古橋 信之,鈴木 雅洲(1980)1
平均初潮年齢
既潮女子生徒6,757名の平均初潮年齢は、11歳11.9か月であった。…11歳21%,12歳45%,13歳24%と12歳にピークを示し、11歳から13歳の間に初潮の発来したものが、全体の90%を占めていた。

既潮率
調査対象7,386名のうち、既潮女子生徒は前項のごとく6,757名であり、潮率は全体として92%であった。年齢別にみると、既潮率は図4のごとく、12歳で56%、13歳で83%、14歳で97%と年齢とともに上昇し、15歳以降でほぼ100%であった。

月経周期が順調になるまでの期間
月経不順女子の月経周期が順調になるまでの期間は、平均19.23±0.21月であり、約1年7か月であった。また、図9のごとく初潮年齢がおそいほどより短い期間に、月経周期が正順化する傾向が認められた。すなわち、初潮年齢10歳の女子の月経周期が正順化するまでの期間が22.92±1.49月であるのに対し、14歳初潮女子では16.17±0.99月であり、14歳初潮女子の方が約6か月以上も早期に正順化していた。

思春期女子におけるホルモンの変動─とくに初潮発来をめぐって─,矢内原 巧,他(1980)2:
山形県下の小、中、高校に在学する6歳~17歳の女子227名を対象とした。検体は午前10時より午後4時までの間に肘静脈より採血し、ただちに血清を分離したものを用いた。さらにこの中より7~14歳の女子28名を選び初潮初来前後3~5年にわたり同一人の追跡調査を行った。

FSH[卵胞刺激ホルモン]、LH[黄体形成ホルモン]は年齢と共に漸増し13歳の月経未発来者群をピークとしその後plateauとなる。FSHは9歳より10歳において有意の上昇をみせた(P<0.02)。月経発来有無の間には全ての年齢を通じて未発来群の方が平均値は高いが推計学的に有意差とはならなかった。

LH値はFSHより2年遅く、11歳より12歳に急増し月経未発来群の12歳から12歳において有意の上昇がみられた。月経の有無による比較では12歳においてのみ月経発来者が未発来者より有意な高値を示した(P<0.02)。

PRL[プロラクチン]値の推移をみると、ゴナドトロピンにみられた漸増傾向はみられず月経発来群の14歳から15歳にかけての減少が有意であった(P<0.05)が、興味あるのは11歳12歳とも月経発来者が未発来者より低値であり、11歳ではその差は有意であったことである。

E2[エストラジオール]値は9歳より10歳にかけて急上昇し(P<0.01)さらに11歳ではほぼ成人のレベルにまで達する。12歳の月経発来者のE2値は未発来者より有意に高値であった。

思春期の暦年齢によるゴナドトロピン値の動態に関しては従来いくつかの報告が見られる。いずれの報告も8~9歳頃より年齢とともに増量し14歳でほぼ成人のレベルに達するという。
年齢別のPRL値の推移に関してはEharaらは年齢によって漸増し14~15歳で成人の値になるという。

その他の文献
PETER A. LEE, A. REES MIDGLEY, ROBERT B. JAFFE, Regulation of Human Gonadotropins. VI. Serum Follicle Stimulating and Luteinizing Hormone Determinations in Children(1970)
S. S. C. YEN, W. J. VICIC, D. V. KEARCHNER, Gonadotropin Levels in Puberty: I. Serum Luteinizing Hormone(1969)

  1. 思春期医学研究会,思春期医学 vol.3収録論文 ↩︎
  2. 同上 ↩︎

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