「そんなものは見たことがない」:タンザニア北部における生活経験と国際保健における児童婚概念との乖離

原題: "I have never seen something like that": Discrepancies between lived experiences and the global health concept of child marriage in northern Tanzania

著者: Susan B Schaffnit, Mark Urassa, Joyce Wamoyi, Maria Dardoumpa, David W Lawson

出版社等: PLoS One

出版日: 2021-04-01

DOI: 10.1371/journal.pone.0249200

参考URL: https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0249200
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抄録
背景:国際保健における「児童婚」という概念は、結婚に適した年齢と有害とされる年齢とを区別するものであり、その境界を世界共通の18歳に設定している。児童婚撤廃の取り組みが強化される中、対象となる地域社会は、こうした結婚を比較的無害なものから深刻な問題へと認識を改めることを求められている。本研究の目的は、この認識の変化を、思春期の少女や若い女性(AGYW)がどのように受け止め、対応しているのかを理解することである。

方法:18歳未満での結婚が一般的で、児童婚撤廃キャンペーンが継続中のタンザニアの準都市地域において、2019年に収集した質的データを用いた。AGYWによる18歳未満での結婚に関する実体験の報告と、「児童婚」という抽象的概念に対する見方を対比した。広範な質的研究の一環としてAGYW13名に詳細インタビューを行い、記録・書き起こしを経て、フレームワーク分析手法で解析した。

結果:多くのAGYWが児童婚について聞いたことがあったが、この概念はしばしば、地域内では稀な強制結婚や、一般的にみられる婚外での10代の性交・妊娠と混同されていた。その結果として、地域内で児童婚が存在するか否かについて参加者間で意見が分かれた。また、18歳未満での現実の結婚事例は、国際保健における児童婚概念に内在する原因や有害性に関する一般的な語りと一致する場合もあったが、多くの場合はそこから逸脱していた。

結論:若年での結婚に関する多様な地域の見解や経験を踏まえることは、思春期女性の脆弱性に対応する文化的に配慮された効果的な施策を立案する上で不可欠であると考える。

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