日本の性犯罪が少ないのはレイプの定義が狭いからというフェミニストの言説に関する簡単な検証

日本の性犯罪発生率に関する議論になると必ずこの手の主張を行う人間がいる為、これに関して性的暴行を受けた女性の死体という言い逃れの難しい証拠の存在のために通常、泣き寝入りなどによる暗数が少ないと考えられる、性的な欲求を動機とした殺人事件の発生率を簡単に比べてみた。

まず性的な欲求を動機とした殺人事件の発生率はBradford, J. M. W., & Levin, G. (2023)1で示されている数値によると、アメリカでは2004年の殺人事件の1.1%を占め、1976–2005年の30年間の全殺人事件を対象とした調査では、殺人事件の0.86%を占めるとされる。スウェーデンでは、1990-2013年の間の全殺人事件を対象とした調査で、殺人事件の1.6%を占めるとされている。またカナダでは、1974-1984年の間の殺人事件を対象とした調査で、殺人事件の4%を占めるとされている。

これに対し日本の殺人事件のうち、性的な欲求を動機とした殺人事件の発生率は、法務総合研究所の研究部報告によると、2011年の殺人事件のうち0.9%を占めるとされる。2

また10万人あたりの殺人事件発生率はアメリカでは、Bureau of Justice Statistics National Crime Victimization SurveyのCriminal Victimization, 2004の報告によれば、5.4(per 100,000)である。3

したがって、アメリカにおける10万人あたりの性的な欲求を動機とした殺人事件の発生率は5.4件 × 0.011 = 0.0594件となる。

同様にスウェーデンでは、macrotrends.netによると、2013年の10万人あたりの殺人事件発生率は、0.9(per 100,000)である。

したがって、2013年の殺人発生率を利用した場合、スウェーデンにおける性的欲求を動機とした殺人事件の発生率は0.9件 × 0.016 = 0.0144件となる。

カナダに関しては、1984年の殺人事件発生率はStatistics Canadaによると、10万人あたり2.6(per 100,000)である。

したがって、1984年の殺人発生率を利用した場合、カナダにおける性的欲求を動機とした殺人事件の発生率は2.6件 × 0.04 = 0.104件となる。

他方で日本の10万人あたりの殺人事件発生率は、macrotrends.netによると、2011年で0.35(per 100,000)である。

したがって、2011年の殺人事件発生率の数値を利用した場合、日本における性的欲求を動機とした殺人事件の発生率は0.35件 × 0.009 = 0.00315件になる。

その結果、日本の2011年とアメリカの2004年、スウェーデンの2013年、カナダの1984年の泣き寝入り等が考えられず、暗数の少ない、性的動機に基づいた殺人の発生率を比較した場合、カナダは日本の約33.02倍,アメリカは約18.86倍,スウェーデンは約4.57倍となる。

殺人発生率は年ごとにそれなりに変動しているため、それにより結果も多少変わるであろうが、基本的にカナダが突出して多く、アメリカ、スウェーデンがその次に高く、日本が一番低い構図は変わらないと思われる。

  1. Bradford, J. M. W., & Levin, G. (2023). Sexually motivated homicide: Descriptive characteristics and empirical evidence. International Journal of Risk and Recovery, 6(1), 28-38.
    ↩︎
  2. https://www.moj.go.jp/content/000112398.pdf ↩︎
  3. Bureau of Justice Statistics National Crime Victimization Survey, Criminal Victimization, 2004. ↩︎

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